会社のパートの山田さんに聞かれたんだけど。
経理の名にかけて、うまいこと説明したいんだけどどうなるの?ねぇねぇ。
(絶対知ったかぶり意外の何者でもないなこれ。自分で調べよっと。)
どうも、るんばです。
私の夫、こんなのでも一応小さな会社を経営しておりまして
その傍らでわたくし、るんばは経理事務をしております。
今回の税法改正にて、職員の方からちょいちょい質問をうけるようになりました。
それで夫と私のさっきの会話があったわけです。
夫の返事が、あまりにも軽々しく胡散臭かったので
自分できちんと調べました。
あやうく山田さんに間違った事を教えてしまうところでした。
ということで、現在年収103万円以内で抑えている山田さんの場合
配偶者控除が150万円に引き上げになった場合にどんなメリットがあるのか
どんなデメリットがあるのかについてまとめてみました。
うちの会社の山田さんを例に今後どう働いていけばお得なのか考えてみました。
税制改定で配偶者控除の見直しを進めていること、あなたも知っていますよね?
配偶者控除をうけることができる配偶者であるわたしたち主婦の給与年収要件を
現在の「103万円以下」から「150万円以下」に引き上げるというもの。
141万円が壁になっていた配偶者特別控除に関しても
151万円から201万円まで引き上げになるようです。
まだ正式には決まってないみたいですがほぼ有力とされています。
決まれば2018年(平成30年)1月からのスタートになるようです。
ということは、2018年の12月にする年末調整から影響が出てくることになりますね。
前から話が上がっていたとはいえ
ニュースで話題になって1年足らずでうまいこと改正できるものなんですかね。
いつものことですが、この手の法案は
2018年1月に施行しますといっても、きっときっと遅れるでしょうね。
とんとん拍子には進めないんじゃないかな。
そんな配偶者控除。
私たち主婦にとては家計を助けてくれる救世主です。
配偶者控除をうけることで、旦那の税金が安くなって節税できるわけですからね。
今まで配偶者控除をうけて、夫の扶養でいられるように
収入を103万以内になるようにコントロールして働いてきた場合には
今回の配偶者控除の見直しによって103万円から150万円になったことで
「いえーい!あと47万円分も働けるぅ♡」
「配偶者控除も受けれるし、収入も増えるし最高じゃん!」
なんて思ってしまうかもしれません。
山田さんもそんな感じ。
でもちょっとお待ちくださいませ。
実は、この150万円への引き上げには落とし穴があるのです。
まぁ、あなたや山田さんの思った考え、
配偶者控除も適用できて収入も増やせるからもっと働くという考え方。
確かに合ってます。
そうやって考えるパート主婦たちが
どんどん社会進出していってくれることを願ってのこの法案なんですが
これはあくまで税法上の扶養の話で
社会保険側の扶養とはまた別の話になっちゃうんです。
なんだかややこしいですよね。
つまり、150万円まで働いても配偶者控除はうけられるので
旦那さんの税金は安くなるのですが
妻である山田さんは社会保険に加入する必要がでてきちゃうんです。
健康保険料とか厚生年金のお金を支払わなければいけなくなっちゃうんですよね。
会社が半分負担してくれるとはいっても、なんだかんだで結構な額になりますからね。
年収150万円稼いでいると
社会保険料は年間24万円ほど支払う計算になります。
(地域によって多少の誤差あります)
一部の大企業の場合は、年収106万を超えると社会保険への加入が必須ですが
夫の会社は、こじんまり経営なので
社会保険料は年収130万円を超えると加入することになります。
年収が150万円になっても、年間約24万円天引きになるので
手取りは126万円。
それなら年収130万円で社会保険未加入で
そのまま130万円が手取りになったほうが得ですよね。
いくら配偶者控除が適用できるっていっても
これじゃ、働き損ですわ。
社会保険がかからないように、130万以内で働いてたほうがいいわ!
って誰もが思ってしまいますよね。
まぁ、社会保険に入ることで
将来受け取る年金額が増えるという良い部分もあるので
一概には言えませんけどね。
とりあえず、配偶者控除が103万から150万円になるかといって
慌てて仕事を増やしたりせずに
年収を増やすことで社会保険の加入が必要であることを念頭において
一度、働き方をじっくり考えてみる必要があるってことです。
■年収103万円以内に収めていた山田さんが150万円まで働く場合
山田さんの年収が150万円までなら配偶者控除が適用されて
夫の年末調整にて38万円の控除をうけることができます。
※もし150万円以上の収入になっても
201万円までは配偶者特別控除といって
山田さんの収入が増えるとともに控除額が減っていきますが
控除をうけることができます。
150万円以内であれば
今までどおり夫の税金が38万円控除されます。
そして、山田さんの年収は47万円増えるということになりますね。
これがメリットです…といいたいところだけど
表面上だけのうわべだけのメリットになりますね。
裏にはデメリットが隠れています。
■年収103万円以内に収めていた山田さんの場合が150万まで働く場合
山田さんの旦那様の年収が1120万円以上の場合、
今まで38万円全額を配偶者控除できていたものが
配偶者控除の金額の減額、もしくは控除適用外になります。
旦那さまの年収が1220万円超えで完全アウトでございます。
増税決定ですね。
まぁ、旦那さんの年収が高い場合は
奥さまは専業主婦の場合が多いと思うので
山田さん家はきっと大丈夫。
お次は、社会保険料。
さっきも話をしたように
社会保険料は年収130万円を超えたら絶対加入します。
半分は福利として会社側が負担する形になりますが
山田さんかも年間で約24万円給与から支払っていくことになります。
手取りは126万円。
150万円稼いで控除もうけれて47万円の収入が増えると
喜べたのもつかの間でしたね。
そこから社会保険料をひいて約23万円。
ここまでの話で、
150万円稼ぐと山田さんは年収23万円アップしていることになります。
そして最後に住民税。
住民税は、地域によって違うのですが
大体100万円くらいで課税されるようになります。
山田さんの場合は今年度は住民税も非課税だったので
150万円稼ぐと住民税もかかってくることになりますね。
ざっくり計算で年間5万円程度
月4000円ほど給与から特別徴収で天引きになります。
妻が150万円稼ぎ、旦那側で38万円の控除をうけ
嫁側で社会保険料を24万円支払い、住民税を5万支払う。
すると山田さんの年収を103万以内に抑えてるときより
山田家の収入は17万円アップすることになります。
たった17万円。
されど17万円。
そこをどう考えるかによりますよね。
47万円分働いたのに、手元にあるのは17万円ですもん。
働き損って思っても仕方ありませんよね。
ちなみに、まだ山田さんには確認していませんが
山田さんの旦那さんの会社から家族手当なるものが出ているなら
150万円稼ごうとするのを全力で止めます。
明らかに損してしまうと思うので。
今までどおり、103万円以内におさめたほうがお得だよと熱弁しますね。
というのも、
山田さん家は3人のお子さんがいるので
もし旦那さんの会社から家族手当が出ているとしたら
家族手当だけで年間かなりの収入になるからです。
この家族手当ですが、
ほとんどの会社が奥さんの年収が103万円以内のときに
支給している手当なんですね。
家族手当の平均支給額が年間で30万円くらいらしいので
山田さんが150万円まで働いたら支給されなくなっちゃうわけです。
山田さんが150万円まで働いても17万円しか年収があがらないのに…。
それなら103万円以内に抑えて働きつつ
配偶者控除もうけて、住民税も非課税くらいに調整して
社会保険は未加入で夫の扶養に入れてもらって
家族手当を手厚くうける。
これが最高です!
私なら山田さんにこう熱弁します。
今回の税法改正、なんだかよくわからないというのが私の本音です。
今の働き方と今後の働き方、人によって配偶者控除が150万円に引き上げになった場合に損するか得するかは違ってきます。
山田さんの場合は、150万円まで働くと損してしまいますよね。
現状のままがベストという結果になりました。
きちんと考えたら、自分がどう働くのがベストなのかみえてくるはずです。
配偶者控除が対象になる枠が広がったからといって
労働時間や労働日数を増やしたとしても、必ずしも家計が楽になるわけではないことをきちんと知っておきましょう。
働けど働けど、我が暮らし楽にならず…なんてことにならないように気を付けてくださいね。